「猫がある日突然ごはんを食べなくなった」「食欲がなくなった」そんな経験がある飼い主さんは多いと思います。
単なるワガママなら良いですが、嘔吐や下痢までしているとなると心配になってしまいますよね。
実は、犬と違って猫がエサを食べないと、重大な事態になりかねません。
今回は、猫が餌を食べない時に考えられる原因と対処法、猫の嘔吐について解説します!
突然餌を食べなくなる理由
猫が突然ごはんを食べなくなるのは以下の3つの理由からです。
- ストレス
- わがまま
- 病気・ケガ
この3つの原因と対処法から解説します。
1.ストレス
猫ちゃんは神経質な子が多く「いつもと違う」という環境の変化にとても敏感です。
キャットフードの種類を変えた、長時間留守番をした、引越しをした、新しい家族が増えた・・・といった環境の変化で食欲がなくなることがあります。
ストレスの場合は、ご飯を食べない以外にこんな行動が見られたりします。
- 今まではちゃんと出来ていたのに、トイレを失敗する
- 血尿を出す
- 今までと違いニャーニャー鳴く
- 手や足、身体を舐め続ける
- 元気がなくなったり、部屋の隅でじっとしている
去勢・避妊手術後、通院などのストレスでご飯を食べなくなる子もいます。
また、発情期中の猫ちゃんも食欲が減退することがあります。
2.わがまま
猫ちゃんは気まぐれでワガママなところがありますよね。
- 同じフードに飽きてしまった
- 新しいフードが気にいらない
- カリカリだけでは食べない
- 多頭飼いで違う餌を与えている場合、他の猫の餌を食べ自分の餌を食べない
猫ちゃんがワガママでご飯を食べないのはよくあることです。
基本的には無視するしかありませんが、あまりにも食べないようであれば対処する必要があります。
うちもそうですが、わがままでご飯を食べない猫ちゃんに困っている飼い主さんは多いと思います^^;
3.病気・怪我
病気・怪我の症状
病気やすぐに見つからないような怪我によって体調が悪く、食欲がなくなることがあります。
病気が原因の場合は「餌を食べない」以外にも症状がみられます。
- 毛並みが悪くなった
- フードの粒をそのまま吐く・食べてすぐ吐く
- 水を飲まない
- くしゃみをする、鼻水を垂らす
- 便秘になっている
- 下痢になっている
など、症状は様々です。
特に高齢猫に多い腎臓病や癌の場合も進行すると食欲がなくなります。
※猫の場合、逆に食欲が増す病気もありますので、いつもどれくらい食欲があるかチェックしておくのはとても大切です。
体調の変化を記録しておく
病気・怪我かも?!と思ったら、以下をチェックしてみてください。
- 体重・熱の有無
- 便の状態
- 尿の状態
- 普段との違い(じっとしている、よく鳴く、走り回る、うずくまる…など)
- いつもに比べて元気はある/元気ない
まず、お家でもできるのは「体重」と「体温」を測ることです。
もちろん動物病院でも計測しますが「普段の体重から変化があったのか」「おうちで熱はあるのか」などがわかるとスムーズに診察が進みます。
下痢の場合は、糞便を少しビニール袋などに採取していき状態を診てもらうこともオススメします。
うんちの状態は重要な健康バロメーターなので、写真などに撮ってもらっても獣医師が確認できますよ。
最近では、毎日の尿量や体重を測ることのできる商品が販売されているので、導入してみるのも良いですね。
猫がごはんを食べない時の対処法4つ
ストレスの原因を取り除く
猫ちゃんが何に対してストレスを感じているのか考えて、そのストレスを取り除いてあげることが最も大事です。
家族や同居猫が増えた場合
はじめは両者を違う部屋にして扉越しから徐々に存在に慣らしてあげましょう。
その場合、必ず先住猫ちゃんを優先するように!
新しくきた猫ちゃんばかりをかまっていると、ますますストレスを感じてしまいますよ。
ご飯を食べないだけではなく、縄張り意識からスプレー行動などの原因になることもあります。
先住猫の前で子猫に構いすぎないように注意してください。
留守番が多い場合
留守番が長いと、猫ちゃんも寂しくてストレスを感じることもあります。
暇にならないようなおもちゃやおやつをおいて置くのが良いでしょう。
また、安心できる場所を作ってあげるのも大事です。
ねこちゃんのお気に入りのベッドに飼い主さんの匂いのついたものをおいたりしても良いですよ♪
引っ越しを行った場合
猫ちゃんにとって環境が変わることはかなりのストレスになります。
引っ越しだけではなく、お部屋の模様替えをしただけでもご飯を食べないようなデリケートな子もいますよ。
はじめは慣れたハウスやケージ、毛布などを暗い場所に設置してあげて、落ち着いて環境になれるまで無理させないようにしましょう。
少しずつ慣れてきたらスキンシップを多くとったり、お気に入りのおやつを与えるなど、猫ちゃんを甘やかしてあげても良いですね。
フードに工夫をする
フードをわがままで食べなくなったときは、むやみにフードを変更せずに、まずはフードに工夫をしてみましょう!
ウェットフードを混ぜる
ドライフードを与えていて食べなくなった場合、パウチや缶詰のウェットフードを少し混ぜて与えるのも有効です。
ただし嗜好性の高いウェットフードばかり与えてしまうとドライを食べなくなることもありますので注意が必要です。
栄養面から考えると、ドライフード中心の食事が猫ちゃんには理想的です!
トッピングで香りをプラス
ふりかけやササミを茹でたもの、ペーストタイプのおやつなどをフードにトッピングして香りをつけてあげると良いですよ。
「味に飽きた」「味が気に入らない」猫ちゃんにピッタリの対処法です。
ふやかす
ドライフードをお湯などでふやかして、温めてあげると食べる場合もあります。
温めることで匂いが増して食欲促進効果があります!
また、歯肉炎など歯が原因で食べづらい場合も食べやすくなりますよ♪
フードの与えかたに注意する
ごはんの時間をきっちり決める
ご飯の時間はきっちり決めておきましょう。
猫ちゃんも人間と同じように体内リズムが狂ってしまうと、食欲が低下してしまうことがあるようです。
毎日同じ時間にご飯をあげていれば、猫ちゃんも学習してくれるので、その時間になるとご飯をねだってくるようになりますよ!
猫ちゃんのごはんの回数や時間についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
残ったフードは片付ける
一定時間でフードを片付けるようにすると、その時間内で食べないとなくなってしまうと猫ちゃんが覚えるので、ちゃんと食べるようになります。
猫ちゃんはそもそもちょこちょこ食いの子が多いので、この方法でしつけてあげると良いかもしれませんね。
側にいて見守ってあげる
甘えん坊の猫ちゃんで、側にいて見ていてあげないと食べないなんて子もいますよね。
肉食動物の母親が、子供が食事をしている時に見張ってくれているような感じで、本能的に安心するのかもしれません。
側にいて撫でてあげるのも良いですよ!
食事の環境を整える
食器を変えてみる
猫ちゃんは、食器が汚れていたり、高さが気に食わなかったりすると食欲が落ちることがあります。
食器の高さや深さを替えてみるのも一つの手です。
時に老猫になってくると、低い食器では体勢がつらく食べにくくなってくるので、高さのある食器にするか、食器台などを使用してみるのも良いでしょう。
食事場所が気に入らない可能性も
食事場所が気に入らなくて食べない場合もありますよ。
猫トイレの近くや、人の往来が多い場所などは、神経質な猫ちゃんだと嫌がることが多いようです。
逆に人が近くにいないと不安・・・という猫ちゃんもいるので、それぞれの性格に合った場所を選ぶようにしましょう。
猫の絶食が危険な理由
猫の絶食は命に関わる
猫は何日も絶食してしまうのが特に体に良くない動物です。
しかし、ストレスなどがすぐ食欲の変化に現れるのも猫です。
実は、猫ちゃんが絶食すると、命にかかわる病気を発症してしまう恐れがあるのです。
肝リピドーシス(脂肪肝)になる
肥満猫は特に注意!
猫ちゃんが3日から1週間程度絶食すると「肝リピドーシス」という病気になることがあります。
猫が絶食すると、エネルギー源の糖分を食べ物から摂取できないので変わりに体内の脂肪を消化して栄養分を確保しようとします。
その際に短時間で急激に肝臓に脂肪が集まってしまい、肝臓が処理しきれずに脂肪がどんどん肝臓の細胞に溜まってしまうのです。
それは特に、肥満気味の猫におこりやすい傾向にあります。
生死に関わる恐ろしい病気
脂肪肝の状態になると、肝臓は本来の機能を行うことができずどんどん肝細胞が死んでしまい、ついには肝硬変になり取り返しがつかない事態になってしまいます。
その為、猫が自分で餌を飲み込めなかったり絶食してしまった場合は、強制給餌といって鼻からカテーテルを挿入して直接胃に流動食を流すこともあります。
猫の嘔吐、考えられること
猫は犬に比べてよく嘔吐する
猫は犬に比べて、比較的よく嘔吐する動物です。
というのも、猫はグルーミングによってできるヘアボール(毛玉)を吐いて出すからです。
屋外で暮らしている猫は、草を食べてその刺激により嘔吐して毛玉を吐き出すといった行為を行います。
また、シニア猫や早食いの猫ちゃんは、食べたフードを未消化のまま吐き出す「吐き戻し」という行為もよくみられます。
猫が食べてはいけないもの
室内飼いの猫ちゃんで注意したいのは、中毒症状による嘔吐です。
猫が食べてはいけない食べ物は、実は結構あります。
特に家の中で多いのが観葉植物のユリ科の植物をかじってしまった時です。
ユリ科植物は猫に急性腎不全を引き起こす毒物ですので、食べてしまうと命にかかわります。
嘔吐が見られ、お家にユリ科の植物がある場合は、猫がかじっていないか確認しすぐ病院へ連れていきましょう!
老猫は口腔疾患にも注意
高齢猫に多い歯周病
高齢の猫で多いのが歯周病・歯肉炎です。
猫は犬に比べて口が小さいですし、飼い主さんが歯磨きをするといった習慣がありません。
歯周病で歯がグラついたり歯茎が膿んで痛みがある場合、
- ご飯をこぼす
- 周りに散らかす
- 食べにくそうにしている
- 餌を残すようになった
- よだれを垂らす
などの症状が見られることがあります。
抜歯する
一度歯周病になり歯がグラつくと、もう元通りに定着することはないので抜歯してしまった方が良いと言えるでしょう。
化膿が広がると、ほっぺたに穴が開いてしまうこともあります。
ご飯が食べられなくなるまで悪化する前に定期的に病院で口の中のチェックをしてもらうのはとても重要です。
まとめ
猫ちゃんの様子を毎日しっかり観察して、フードを食べない原因を考えましょう!
- 猫が食べない原因は「ストレス・わがまま・病気」
- 食べないときはフードに工夫をする
- ストレスを取り除く努力を
- 高齢猫は腎臓病や口腔疾患にも注意!
- 猫は絶食は絶対ダメ!全く食べなくなったらすぐ病院へ
猫がご飯を食べないといった事態は、猫の飼い主さんであれば何回か遭遇するであろう事態です。
しかし絶食は猫にとってとても危険なことなので、絶食してしまう前に対策する必要があります。
少し異変が見られた時点で対策する必要があるので、普段の様子をきちんと見ておくことが重要ですよ。